食養学入門 19 2-1

■第2章 食養の実践と理論

 

 

1.食事で健康になるための最初の作法

 

みなさんは運動をするときに、いきなり始めたりしないでしょう。

 

食事という行為は消化器官にとって一大イベントです。

 

蠕動運動(※ぜんどううんどう)というスポーツが始まるのですから、食事にも準備体操が必要なのです。

 

まずは梅干を半分かじってください。

 

そして一口目は玄米に雑穀を混ぜて炊いたご飯を食べましょう。

 

最初の一口だけで結構ですから100回噛んでみましょう。

 

これが準備体操です。

 

生物にとって食べるという行為は大変なことです。

 

身体の60兆個あると言われる全細胞を代表して食べるわけですから、最初にこれだけのことは神聖な儀式としてでも実行しましょう。

 

 

梅干をかじることで唾液は普段の数倍は出ます。

 

この塩辛さと酸っぱさは言わば大鐘を突くようなもので「ゴーン」と全身の60兆個の細胞にお知らせするのです。

 

すると全細胞は「大変だ、毒がやってくるぞー!」というわけで準備を始めるのです。

 

玄米と言えども身体という環境の外にいる間は異物ですから毒なのです。

 

その毒を唾液や消化液が薬に変化させるのです。

 

「医食同源」とは噛む行為が介在してこそ実現されます。

 

 

最初に100回噛むとは「カン、カン、カン・・・」と、これも全細胞に警鐘を鳴らして準備を怠りなくするのです。

 

逆に早食いはどうなるでしょうか?

 

交感神経緊張化で食事をすると唾液が出ません。

 

連動して消化液も出ませんね。

 

例えば怒りながら食事をしたときは砂を噛んだような味になるでしょう。

 

そのために早食いの人は濃厚な味を好むようになります。

 

最初から味がしないと食べられないのです。

 

薄味を好む人はよく噛むことで、自ら味を作るのです。

 

そういう意味でも生活習慣病のリスクは噛まない人ほど高いのです。

 

 

消化液が十分でないまま食べ物が消化器官に入ると、粘膜が荒れてしまい、食べ物のこなれていない欠陥がモロに作用します。

 

唾液は発ガン性物質を中和する最良の効果があり、胃液は殺菌作用が強烈です。

 

早食いはお茶や汁物と一緒に流し込む食べ方(水洗便所式食べ方)なので、胃の殺菌力が失われ様々な菌に感染する可能性が強まります。

 

O−157や赤痢菌に感染するのは、そうした食べ方をする人なので、本当の病気の原因は菌になるのではなく、その人自身にあるのですね。

 

また、歳を取ると交感神経緊張に偏ってきます。

 

ですから、お年寄りほど梅干しと最初のひとくちを100回噛む必要があるのです。

 

 

交感神経緊張はあらゆる代謝活動を抑制します。

 

唾液、消化液、ホルモン、各種生理活性物質などの分泌も抑制されるのです。

 

ありとあらゆるものを出しません。

 

便も出ませんし、熟睡もできなくなります。

 

ですから、食事は副交感神経を優勢にさせるチャンスですので、しっかりと最初の儀式をすることが重要なのです。

 

(つづく)

 

※蠕動(ぜんどう)は、筋肉が伝播性の収縮波を生み出す運動である。蠕虫などの体壁筋や、動物体内の消化管などの中空器官で行われる。前者では動物体の移動のため、後者では内容物の移送のために行われる。消化管の蠕動は、食物をある一定方向に動かすために行われる。自律神経に支配されているため、意識的に蠕動運動を活発にさせることはできない。

 

※この記事はBL研究所 所長 冨田哲秀著『食養学入門(2004年)』より抜粋しております。

 

 

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